2025年04月07日

米国東海岸で見たもの 04 粉雪

 約三十年前に米国ニュージャージー州に1年間滞在させて頂いた際に見聞きしたこと、それに触れるシリーズの4回目です。

 冬の北海道大学で開催された学会に出席した際、クラーク像の近辺をラッセルしながら会場に辿り着いたことがありました。また、東京の大雪の際に弥生門の坂でガラス製の実験機器を抱えて転倒してもなんとか受身が取れました。

 これらの体験から、雪が滅多に降らない・積もらない静岡県に生まれ育った私でも「おそらく何とかなるだろう」と甘く見ていました、ニュージャージー州の冬に対して。私のアパートは函館と同程度の北緯に位置していましたので…。

 ところが、大陸の冬は違いました。

 自動車で出掛けた帰宅途中の夕方でした。アパートのすぐ近くの路上で雪が降り始めました。粉雪でしたが、その振る舞いに目を見張りました。空からの粉雪が裸の路面に着地しても、そこに落ち着かず、僅かな風で空中に舞い戻っていったのです。この説明で想像頂けるでしょうか?発砲スチロールの小さな粒が乾いた路面にパラパラと降ってくる様子をイメージして頂けると良いかと。路面の温度がそれだけ低いのだと思いました。空から降ってきた雪は必ず路面に着地する、そのような景色ばかり見てきた身としては、驚きの体験でした。日本でも、おそらくは、かなりの高さの標高でないと現れない現象ではないでしょうか?

 また、別の時に外出禁止令を経験しました。夜間の積雪1m超が予測されたためです。実際、予測通りとなりました。これも初めての経験でした。ただし、除雪がかなり迅速で、その日の午後には自動車で移動できました。残念ながら、除雪車を目撃することができず、その方法は知らないままで終わりました。「自動車社会」というのは道路の管理においても自動車利用者を第一にするのだと感銘を受けました。

 最後に、駐車場です。日本でもワイパーをフロントガラスから離しておく処置が雪国の駐車場での標準です。ところが、ニュージャージー州ではそれでは不十分でした。アパートでは戸外の駐車場に車を止めていたため、冬の朝はフロントガラスの凍結との格闘でした。凍結してしまうとワイパーや洗浄液が利かず、前が見えなくなってしまいます(※)。やかんで沸かした湯をかけてもそれが凍ってしまいます(「それは無駄だ」と現地の人に言われました)。長時間の暖機運転によるヒーター温風で車内から溶かすしか思いつきませんでした。通勤時間に余分が増えました。ニュージャージー州の民家に室内ガレージが多い理由を痛感しました(暖房付きのガレージです)。ただ、不思議とチェーンやスタッドレスタイヤの推奨は無かったように記憶しています。「基本は公共の除雪作業」だったように思われます。

※)日本でも上信越道の西軽井沢インターの西側で同様の経験を運転中にしましたが、こちらの標高もかなり高いはずです。

 このシリーズはこちらに続きます(最新記事がアップされたらそちらが表示されます)。また、このシリーズの最初はこちらです。

↓ ニュージャージー州の降雪の例。積もるときは結構に積もります。こちらから転載させて頂きました。
米国東海岸で見たもの 04 粉雪




Posted by 島田市岸町の工学博士 土屋昌弘(つちやまさひろ) at 04:24│Comments(0)社会
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