2025年05月18日
世界の科学技術アカデミー 07 ムセイオン(アレクサンドリア)

↑ 19世紀に描かれたアレクサンドリア図書館。当時の考古学的証拠の一部が用いられて描かれています。こちらから転載させて頂きました。

↑ ヘレニズム時代の学術的モチーフのミューズ像。文学、科学、芸術にインスピレーションを与える女神。Museumの語源。こちらから転載させて頂きました。
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このシリーズでは世界の様々な科学技術アカデミーを紹介しています。第七回目はムセイオン(Musaeum Alexandrinum、Mouseion of Alexandria)とそれに付随するアレクサンドリア図書館(Bibliothḗkē tês Alexandreíās、Great Library of Alexandria)です。
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ムセイオンはアレクサンドロス大王の後継者プトレマイオスの息子のプトレマイオス2世によって紀元前3世紀に形作られたそうです。プトレマイオス朝とローマ帝国のサポートによって数百年間運営されたとのこと。
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古代世界最大の学術センターが形成され、数学(ユークリッド(Euclid))、天文学(エラトステネス(Eratosthenes、276–194BC))、医学(ヘロフィロス(Herophilos、335–280BC))などの分野で革新的な研究が行われ、古代エジプトの科学技術の頂点と言えるそうです。古代世界の知識が集約され、ギリシャ・エジプト・東方の学術が融合されたとともに、現代の学術機関の原型とも言えるようです。
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アレクサンドリア図書館は、上記ムセイオンに付属していた世界最大級の図書館でした。図書館の司書が詩や文献の整理・分類を行い、現代の図書館学の基礎を築いたとされます。
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数十万巻のパピルス巻物が蔵書として収蔵され、当時知られていたほぼすべての学問分野の文献が網羅されていたようです。貿易拠点でもあったアレクサンドリアに寄港した船舶に対して、書物を複写させたり強制的に収集したりしたようです。蔵書はギリシャ語だけでなく、エジプト、ペルシア、インドなどからの翻訳や異文化の文献も含んでいたとされ、非常に多様なものだったようです。
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古代世界の知の中心として、ヘレニズム文化や学問の発展に大きく貢献したものの、複数の要因が重なった結果、衰退と破壊がもたらされたようです。
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このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらに飛びます)。このシリーズの初回はこちらです。
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