2025年04月06日
米国東海岸で見たもの 03 通勤
約三十年前に米国ニュージャージー州に1年間滞在させて頂いた際に見聞きしたこと、それに触れるシリーズの3回目です。
ニュージャージー州の中央部に位置する研究所に通うため、同州の北部でアパートを借りていました。この地域は西側でペンシルベニア州と、北と東でニューヨーク州と、それぞれ接しています。特に、にハドソン川に接している地域は「川向う」が世界最大のビジネス街のマンハッタン島です。ニューヨーク州の最南端にあるマンハッタン島から見ると、同じニューヨーク州の北部地域よりもニュージャージー州の方がよほど近いので、ほぼ「ニューヨーク市扱い」です。つまり、ニュージャージー州のマンハッタン島対岸は、州は異なるものの市内の川向うであるブルックリンやクイーンズと同等に見えているようです。実際、アメリカンフットボールの「ニューヨークジャイアンツ」および「ニューヨークジェッツ」というチームのホームタウンがイーストラザフォードというニュージャージー州の町であり、本拠地のメットライフスタジアムもそこにあります。
従って、ニュージャージー州の北部地域はビジネス街のマンハッタンに通勤している人々が沢山住んでいる地域でもありました。荒川を挟んだ東京23区と埼玉県との関係と似ています。ただ、マンハッタン島自体に住居を構えるのは、超裕福な人に限られたはずです。東京23区は622平方キロメートルありますが、マンハッタン島は59平方キロメートルしかありませんので、10倍の競争率です。ニュージャージー州からの通勤方法は自動車、鉄道、フェリーの3種類でした。ジョージワシントンブリッジの近くに住んでいる人には自転車や徒歩も選択肢であったとは思われますが、、。
フェリーはニュージャージー州の富裕層が使う通勤方法だそうで、朝夕に1時間程度潮風に吹かれる優雅なものとのこと。渋滞とは無縁で、ビジネス街が集中するマンハッタン島南部に直通というのは魅力的なのでしょう。残念ながら、私は体験しませんでした。マンハッタン島南部と対面の関係にあるニュージャージー州のモンマス郡の港にはにはマンハッタン行きのフェリー便があり、比較的裕福な通勤者がその近くに住んでいるようでした。そのうちの一軒にお邪魔したことがありましたが、30歳代の二人住まいの家にものすごく大きなプールがあったのが印象的でした。
アパートの近くの鉄道(North Jersey Coast Line)はエンパイヤステートビルに近いペンステーション駅まで通じていました。主として一般の通勤客が利用するようです。私が利用した際には黒人の利用客が多かったように感じました。ただし、東京の通勤電車とは違って、クロスシート仕様(日本の新幹線で向かい合わせにしない状態の座席配列)で、ほとんどの乗客が着席していました。1時間くらい乗っていたと記憶しています。ペンステーション駅は東京駅とは違ってターミナル駅(終点)でしたので、上野駅のかつての東北本線ホーム(現在の東北本線は東京駅まで延伸されています)のような感じでした。列車を降りた後にホームの一端を目指して急ぐ人々が印象的でした。大柄な黒人の通勤者の歩く速さには「とてもついていけない」と感じ、このタイプの人がプロスポーツをやると他の人種は簡単にはかなわないだろうなと痛感しました。
自動車は早出の人が使うようです。出遅れると渋滞に巻き込まれるため、とにかく朝が早いうちにという印象でした。別件で午前4時に近くのハイウエイを使ったことがありましたが、すでにマンハッタンに向かう多くの通勤自動車であふれていました。小型車が多かったという印象が残っています。マンハッタンでの朝の仕事に向かう人々だろうと想像しました。「勤勉な人が多いのだな」と感じた次第です。私はそれまで「勤勉と言えば日本人」と信じ込んでいたところがあったのですが、マンハッタン島に小型自動車で向かう人々はそれ以上かもしれないと感じました。おそらくは、WASP層ではないと思われますが、、、。
時として事故に遭ったと思われる大きな鹿が路上に横たわっていましたし、凍結防止剤を散布する車の直後に入ってしまってフロントガラスに雨あられと降る薬剤をかぶってしまい前が見えなくなったこともありました。懐かしい思い出です。
このシリーズはこちらに続きます(最新記事がアップされたらそちらが表示されます)。また、このシリーズの最初はこちらです。

ニュージャージー州の中央部に位置する研究所に通うため、同州の北部でアパートを借りていました。この地域は西側でペンシルベニア州と、北と東でニューヨーク州と、それぞれ接しています。特に、にハドソン川に接している地域は「川向う」が世界最大のビジネス街のマンハッタン島です。ニューヨーク州の最南端にあるマンハッタン島から見ると、同じニューヨーク州の北部地域よりもニュージャージー州の方がよほど近いので、ほぼ「ニューヨーク市扱い」です。つまり、ニュージャージー州のマンハッタン島対岸は、州は異なるものの市内の川向うであるブルックリンやクイーンズと同等に見えているようです。実際、アメリカンフットボールの「ニューヨークジャイアンツ」および「ニューヨークジェッツ」というチームのホームタウンがイーストラザフォードというニュージャージー州の町であり、本拠地のメットライフスタジアムもそこにあります。
従って、ニュージャージー州の北部地域はビジネス街のマンハッタンに通勤している人々が沢山住んでいる地域でもありました。荒川を挟んだ東京23区と埼玉県との関係と似ています。ただ、マンハッタン島自体に住居を構えるのは、超裕福な人に限られたはずです。東京23区は622平方キロメートルありますが、マンハッタン島は59平方キロメートルしかありませんので、10倍の競争率です。ニュージャージー州からの通勤方法は自動車、鉄道、フェリーの3種類でした。ジョージワシントンブリッジの近くに住んでいる人には自転車や徒歩も選択肢であったとは思われますが、、。
フェリーはニュージャージー州の富裕層が使う通勤方法だそうで、朝夕に1時間程度潮風に吹かれる優雅なものとのこと。渋滞とは無縁で、ビジネス街が集中するマンハッタン島南部に直通というのは魅力的なのでしょう。残念ながら、私は体験しませんでした。マンハッタン島南部と対面の関係にあるニュージャージー州のモンマス郡の港にはにはマンハッタン行きのフェリー便があり、比較的裕福な通勤者がその近くに住んでいるようでした。そのうちの一軒にお邪魔したことがありましたが、30歳代の二人住まいの家にものすごく大きなプールがあったのが印象的でした。
アパートの近くの鉄道(North Jersey Coast Line)はエンパイヤステートビルに近いペンステーション駅まで通じていました。主として一般の通勤客が利用するようです。私が利用した際には黒人の利用客が多かったように感じました。ただし、東京の通勤電車とは違って、クロスシート仕様(日本の新幹線で向かい合わせにしない状態の座席配列)で、ほとんどの乗客が着席していました。1時間くらい乗っていたと記憶しています。ペンステーション駅は東京駅とは違ってターミナル駅(終点)でしたので、上野駅のかつての東北本線ホーム(現在の東北本線は東京駅まで延伸されています)のような感じでした。列車を降りた後にホームの一端を目指して急ぐ人々が印象的でした。大柄な黒人の通勤者の歩く速さには「とてもついていけない」と感じ、このタイプの人がプロスポーツをやると他の人種は簡単にはかなわないだろうなと痛感しました。
自動車は早出の人が使うようです。出遅れると渋滞に巻き込まれるため、とにかく朝が早いうちにという印象でした。別件で午前4時に近くのハイウエイを使ったことがありましたが、すでにマンハッタンに向かう多くの通勤自動車であふれていました。小型車が多かったという印象が残っています。マンハッタンでの朝の仕事に向かう人々だろうと想像しました。「勤勉な人が多いのだな」と感じた次第です。私はそれまで「勤勉と言えば日本人」と信じ込んでいたところがあったのですが、マンハッタン島に小型自動車で向かう人々はそれ以上かもしれないと感じました。おそらくは、WASP層ではないと思われますが、、、。
時として事故に遭ったと思われる大きな鹿が路上に横たわっていましたし、凍結防止剤を散布する車の直後に入ってしまってフロントガラスに雨あられと降る薬剤をかぶってしまい前が見えなくなったこともありました。懐かしい思い出です。
このシリーズはこちらに続きます(最新記事がアップされたらそちらが表示されます)。また、このシリーズの最初はこちらです。
↓ アパートの近くの駅(1981年)。こちらから転載させて頂きました。

Posted by 島田市岸町の工学博士 土屋昌弘(つちやまさひろ) at 01:43│Comments(0)
│社会