2025年05月25日
世界の科学技術アカデミー 12 カリフォルニア工科大学(ロサンゼルス郡)

↑ ミリカン図書館。こちらから転載させて頂きました。

↑ 創設当時(1890年代)の建物。こちらから転載させて頂きました。

↑ マウント・ウィルソン天文台のフッカー望遠鏡。宇宙観を変えたとも言うれています。こちらから転載させて頂きました。
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このシリーズでは世界の様々な科学技術アカデミーを紹介しています。第十二回目はカリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)です。略してカルテック(Caltech)と呼ばれています。1891年に創立されました。
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物理学、化学、工学で傑出しているそうで、GROKさんのランキングでは全米3位です。 学生対教員比率が3:1という個人指導に近い環境が学生に提供されているようです。学費の年額も$63,402とハーバード大学を上回ります。
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戦後の実績については、これまでと同様、取り上げるのに時期尚早として割愛します。
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戦前は、ロバート・ミリカン(Robert Andrews Millikan, 1868-1953)やセオドア・フォン・カルマン(Theodore von Kármán、1881-1963)、ジョージ・ヘール(George Ellery Hale, 1868-1938)といった巨匠のリーダーシップの下で、物理学、遺伝学、地震学、航空工学、天文学で世界をリードしたとのこと。少人数ながら質の高い研究環境により、ノーベル賞受賞者や革新的技術を生み出す土壌が形成されたようです。戦前の主要な実績は以下の通りです。
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1)地震学と地球物理学:
チャールズ・リヒター(Charles Francis Richter、1900-1985)は1930年代によりリヒタースケール(「マグニチュード〇〇」)の開発を進められ、地震の大きさを定量化する方法が確立されたそうです。これは地震学における画期的な業績で、世界的な地震研究の拠点となる基盤が築かれたとのこと。
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2)航空学とジェット推進
セオドア・フォン・カルマンの下、グッゲンハイム航空研究所が1926年に設立され、空気力学や流体力学の研究推進により超音速飛行の理論的基礎が築かれたそうです。これが後のジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)の基盤となり、航空技術に大きく貢献することになったようです。また、風洞実験施設の開発により当時最先端の航空機設計を支えて、米国航空産業の発展に寄与したとのこと。
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3)化学と物理学
ライナス・ポーリング(Linus Carl Pauling、1901-1994)らにより化学結合の理論が発展し量子化学の基礎が築かれたそうです。化学結合の本質に関する研究が進められたとのこと。物理学ではカール・アンダーソン(Carl David Anderson、1905-1991)らが宇宙線研究により陽電子が発見され、その後の素粒子研究の礎が築かれたそうです。
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4)天文学と宇宙科学
ジョージ・ヘールの主導により太陽物理学や天体分光法の研究が推進され、現代天文学の基礎が築かれたとされます。カルテックが管理するマウント・ウィルソン天文台( Mount Wilson Observatory)との連携により後にエドウィン・ハッブルらが宇宙膨張を発見する基盤が築かれたそうです。
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またまた、残念なことに、マンハッタン計画への関与がカルテックにもあり、日本人としては悲しい気持ちにならざるを得ません。ですが、創立後数十年で世界をリードする科学技術アカデミーとなった活力は注目に値すると考えられます。
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このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらに飛びます)。このシリーズの初回はこちらです。
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Posted by 島田市岸町の工学博士 土屋昌弘(つちやまさひろ) at 05:50│Comments(0)
│島田科学技術教育振興会